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防府市

女山古墳群

古代は島でした

防府市南西部、田島山の北側に位置する独立丘陵「女山」の南東に分布する9基から成る古墳群で、現在は墓地中とその裏山に4基(2・3・4・9号墳)ほどが残ります。「女山」は、江戸時代の干拓事業以前には島だったようです。  墳丘は、ほぼ流失しており横穴式石室が一部露出しています。詳しい調査が行われていませんが、南に開口する3号墳では、玄室長2.8m、奥壁幅1.4m、玄門幅1.3m、高さ1.5m、羨道長1.4mを測ります。また、幅0.4mほど石柱を立て玄室と羨道を区別しています。

向山古墳群

通称「二六台」南斜面

佐波川流域の右岸、向山の丘陵端部に分布する古墳群で、計10基から成ります。通称「二六台」と称される山頂部は平坦面を成しており、そこから組合せ式箱式石棺が発見されています。古墳群は「二六台」への道沿いや南斜面などに分布する。1号・7号・8号・9号・10号墳が消滅しており、現存5基となる。  なかでも山腹に分布する3号墳は、径17m、高さ3.5mほどの円墳で、横穴式石室を主体部とします。出土遺物遺物は、金環・銀環耳飾り、勾玉、鉄製馬具、須恵器、特殊器台、高坏、長頸壺が出土。築造年代は、6世紀後半推定される。

惣社古墳

佐波神社の東に位置

多々良山の南麓に位置する円墳で、佐波神社の東に隣接する。すぐ北西には、毛利氏庭園が位置しています。  墳丘規模は径16mほどで、両袖式の横穴石室を主体部とする。全長7.8m、玄室長3.1m、幅2.25m、高さ2.35m、羨道長4.7m、奥壁幅1.5m、羨道部幅1.25m、高さ1.5mを測ります。奥壁は、ほぼ1枚岩を鏡石としており、全体的に大きめの石材を使用している。築造年代は、6世紀後半と推定される。

大日古墳

竜山石産の家形石棺

佐波川右岸、防府平野を見渡せる西目山の山麓に位置する前方後円墳で、前方部を南西方向に向ける。  墳丘規模は全長45m、後円部径19m、前方部幅20mを測り、周溝が巡っていました。埋葬施設は南に開口する両袖式の横穴石室で、全長13m、玄室長3.6m、幅2.2m、高さ2.2m、羨道長9.4m、幅1.45m、高さ1.4mを測る。巨石を利用した石室は「岩屋山式石室」の特徴を備え、近畿地方の影響を受けたものと考えられる。また、玄室中央に竜山石産の刳抜式家形石棺が安置されている。蓋石に前後1対と左右2対の計6ヵ所の縄掛突起を施している。築造年代は、7世紀中葉と推定。

岩畠古墳

重厚感溢れ出る

多々良山の東南麓に位置する円墳で、西側にも玉類や須恵器が出土した2号墳(消滅)があり、古墳群を形成していました。  墳丘規模は径20mほどの円墳で、南の開口する両袖式の横穴石室を主体部とする。石室規模は、全長10.1m、玄室長4.5m、幅2.5m、高さ2.9m、羨道長4.5m、幅1.8、高さ1.6mを測ります。花崗岩の巨石を使用した石室は1枚岩で鏡石としております。側壁においても2段ないし3段の巨石を積み上げ、重厚感溢れる石室は見るものを圧倒します。築造年代は、6世紀末~7世紀初頭と推定される。

車塚古墳

横穴石室×2

防府市街地の中央部、天御中主神社となっている前方後円墳で、三分の一ほど社殿で削平される。  墳丘規模は、墳丘長58m、後円部径31.5m、前方部幅18mを測ります。墳丘には、葺石、埴輪などは認められず、周囲から周溝の痕跡が確認されている。埋葬施設は、後円部と前方部に横穴式石室が南西方向に開口する。双方ともに九州の影響を受ける複室構造の横穴式石室で、全長8.2m(現存長)を測ります。、後円部の石室は稲荷社が祀られており、前室までしか見ることができない。前方部の石室は、大きく撓んでいることから入室は危険を伴います。  出土遺物は、確認されていない。築造年代は、6世紀後半と推定される。

鋳物師大師古墳

複室の大型石室

防府市市街地の鋳物師町に残る古墳で、鋳物師会館裏の墓地中に横穴石室が開口しています。  墳丘規模は東西16m、南北7m、高さ4.5mを測り、形状は不明です。埋葬施設は、南西方向に開口する複室構造の横穴石室で、石室全長10.7mを測り、県内最大級を誇ります。また、石室内には、古墳名の由来となっている大師様が祀られています。  出土遺物は、須恵器高坏が出土。築造年代は、7世紀前半と推定される。
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黒山古墳群

1号墳で市内最古

大海湾を臨む独立丘陵黒山に分布する古墳群で、横穴式石室を主体部とする古墳4基と箱式石棺を主体部とする円墳1基で構成されています。マツダ防府工場の北東に位置し、玉祖神社から山頂を巡るコースと和立海神社から山頂を巡るコースの二通りの登山口があります。  1号墳は、凝灰岩板石で組み合わせた箱式石棺を主体部とする円墳です。出土遺物は、人骨、漢式獣首鏡、管玉、翡翠製勾玉が出土。築造年代は、5世紀代とされ防府市内では最古級とされます。  2号・3号・5号墳では、横穴石室が露出しており、巨石を用いた立派な石室を見ることができます。
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