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ひたちなか市

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虎塚古墳

彩色壁画、東国に現る

那珂川の支流、中丸川の沖積地をのぞむ台地上に位置する前方後円墳です。見どころは、なんと言っても石室に描かれた彩色壁画で、九州では多く見ることができますが、東国では大変貴重な存在と言えます。  墳丘は全長56.5mを測り、前方部を西に向け、盾形の周溝が巡ります。  主体部は、南に開口する凝灰岩使用の横穴石室で、奥壁1枚、東側壁1枚、西側壁2枚、床面7枚、天井部3枚、玄門部に扉石が用いられる。墓道から玄室まで含めると9.5mほどになります。玄室内は、白色粘土の下塗りがされ、その上に赤色顔料で壁画が描かれる。奥壁最上段に2段の連続三角文、その下に環状文2個、下段に槍、鉾図文15本、靫、鞆、大刀が表現される。東側壁は、蕨手文、靫、盾、鐙、首飾りと思われるものが表現されている。西側側壁は、円文9個が直列に描かれ、円文中央の下に三日月文が確認できます。下段の玄門側に鐙と凹字形文が描かれています。  出土遺物は、石室内から人骨、鉄刀、刀子、毛抜形鉄釧、閉塞石の塊内、前庭部から鉄釧、鉇、鉄鏃、鉄釘、鉄鉾、土師器、須恵器出土し、追葬の可能性が考えられます。  これらの出土遺物、装飾壁画のレプリカは、ひたちなか市埋蔵文化財調査センターで見学することができます。また毎年、春と秋に装飾壁画の一般公開も行われています。
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